2000年付近の最新技術は今なら誰でも使えます
特許とは、技術的なノウハウを公開する見返りに一定の要件を満たすノウハウに独占的な実施権1と排他権2を認める制度です。特許出願をすると発明の内容が一律に公開され、出願公開3と呼ばれます。特許には技術的なノウハウを保護する特許権と、物品等の外観を保護する意匠権の2種類があります。特許権は文章で権利範囲を設計するのに対し、意匠権は図面(6面図)で権利範囲を設計します。技術的にも優れ、製品デザインとしても優れているものは、特許権と意匠権の両方を受けておくこともできます。
ところで、特許権には有効期限があり、特許出願をした日から原則として20年で権利は消滅4します。また、特許は特許料と呼ばれる権利の維持費を納付する必要があり、納付をやめれば特許権は消滅し、その技術は誰でも自由に使ってよい自由技術となります。これは、意匠権も同じです。出願公開で公開された技術で特許を受けていないものや、特許権が消滅した言わば枯れた技術を組み合わせて新たな商品開発をすることも可能です。
今から20年前といっても2003年ですから、2000年代初頭の最新技術は今では実質使い放題となっています。このような特許制度の特徴を組み合わせて事業を加速的に成長させようとする方法を、一般に知的財産戦略(略して「知財戦略」)といいます。
知財戦略には、大きく製品開発に関する方法と販売に関する方法に分かれ、製品開発に関する方法に独占供給戦略、ジェネリック戦略、知財ミックス戦略があり、販売に関する方法にライセンス戦略と標準化ビジネス戦略があります。 ご自身の性格タイプから相性のよい知財戦略を見分ける診断表がありますので、まずはフィラー特許事務所の無料診断を受けてみてください。診断表はPDF版に収録しています。
この記事は、大阪・西梅田でフィラー特許事務所を経営する弁理士・中川真人によって書き下ろされています。特許や商標に関する情報は知的財産法の専門家である弁理士による記事をご利用ください。
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